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「……とまぁそんなこと言っても、この学校は俺も今年一年目なのでみんなと一緒にがんばっていきたいと思います!」
学ランを引っ張ると、巧斗は焦点のあってない瞳でこちらを振り返る。
「タク……残念だったな」
「うん……」
この落ち込みようからすると女の先生期待してたんだろうな……。まぁ妄想に近い期待をしていたんだろう、と恵斗は予想した。
「皆さんよりは少しだけこの学校に慣れていますがまだ迷ったりする始末で……こまっちゃいますね♪」
「…………」
須藤氏の話が止まった。ちらちらと後ろの保護者を見ている。
(しかして、ウケを狙ったつもりか? すまんがだれも気づいてすらないぞ)
クラスの全員はこの先生は一年間すべるキャラではないか、という疑問が浮かんでいた。――一人を除いて。
恵斗の後ろで笑いをこらえ悶えている一人を除いて。
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