第一章 ―ドアノブ―

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それからは生徒の自己紹介が始まった。出席番号順に中学校・部活・趣味・みんなへの一言を話していく。 そろそろ恵斗の出番が回ってくる。巧斗の次なのであと三人ほどで回ってくる。 この時、恵斗の脳裏には五つの選択肢が浮かんでいた。 ① 自虐ネタを披露 ② 笑いをとる ③ 誰かに便乗する ④ 地味にいく ⑤ 熱血キャラを見せてみる どれもろくな選択肢ではないが、人間窮地に立つとろくなもんは浮かんでこないのである。恵斗はそんな自分の適応力を恨みながら、自己紹介をするべく立ち上がった巧斗を見る。
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