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そして月日は流れ、入試当日。
「俺はどこで道を誤ったんだ……」
「ん? どうしたんだ、ケイ?」
「思い出したよ。お前のうちにチョコチップメロンパンを持って行った時からだ」
「違うだろ、フランスパンだったぜ」
入試開始30分前、荒城北高校の教室の一角で、恵斗は嘆いていた。
「お前も年貢の納め時だな」
「俺は知らないうちに罪でも犯したのか……」
「あぁ、性犯罪だ」
「やめろっ! 周りの視線が痛い!」
入試直前とは思えないほど、全く緊張感のない会話だ。
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