第一章

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「…なら、仕方ないか」 「本当にごめんね。」 榛葉君は極度のKYで、名前を呼んだ奴はすぐに友達で、、ある意味自分勝手。 そして自分の行動に自信を持ってる。 そのせいもあって周りを遠慮なく惹き付けて、魅了する。 たくさん、たくさん悪意を寄せ付ける癖に、その分好意を向ける者の依存を強くするんだ。 そんな榛葉君がただ‥怖い、と思った。 俺も少しずつ惹き付けられていくのかと思うと関わりたく無かった。 それに正直あのテンションにも疲れる。 KYだから俺に向けられる視線には気付かずに更に空気を掻き乱すし。 「俺は気にしないで、(俺のいない)学校生活を楽しんでね」 だから、然り気無く騙すような言葉で俺は離れようとしたんだ。 「おぅ!」 俺の言葉に含まれた意味を深く考える事をせず、素直に受け取ったのだろう。 満面の笑みを浮かべる榛葉君に俺は苦笑した。 だから‥逆に俺が騙されてるなんてこの時はこれっぽっちも思ってなかったんだ。  
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