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「たまにはサボってみるのもいいな。」
空を見上げて呟いた委員長を俺は思わず凝視した。
「何だ、可笑しいか?」
「いや、何か意外だったから」
委員長は絶対にサボらないと思っていたから尚更、、、
「----なら、----さ」
ところどころで途切れて聞こえた音に俺は委員長を見上げた。
「何でもないさ」
「ふーん」
「それより愛雫華、膝貸せ」
「え?膝?」
俺が聞き返した頃には、委員長は既に俺の膝に頭を預けて寝ていた。
「ひざ、まくら…」
俺の膝の上で寝息を立てる委員長に、よっぽど疲れてたんだな、と思いつつ、今日1日でたくさん委員長の新たな一面を知ったんだ。と思って少しだけおかしかった。
「去年も一緒だったのに‥」
新しい委員長の一面は今までよりも更にカッコよくて、何だか少し可愛くて、俺は知らず知らずのうちに笑みを溢した。
「お疲れ様」
気持ち良さそうに眠る委員長を見て俺もそっと目を閉じた。
『愛雫華となら、喜んでサボってやるさ』
“なんたってお前が一番大切なんだから”
その気持ちはまだ、委員長しか知らない。
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