第三章

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内容は至って普通のものだった。 見回りを強化しろだの、親衛隊にスパイとして所属している委員からの報告だの、俺の隊員の管理は大丈夫か、だの‥どこぞの親衛隊が問題を起こしただの、そんなのばかりだ。 だから正直、緊急がつく程の会議では無かったと思う。 「では、明日からもみんな気を引き締めて頑張ってくれ。」 鷲見先輩のその言葉でその場は解散となった。 そして俺は頼まれた書類を届け、部屋に戻るべく寮へとあしを進めている。 だから分からなかった。 「ではこれより本題にはいる。」 俺が帰った後で行われている、“本当の”緊急会議を。 「まさか、委員長が…、まぁいい。委員長は傍観体制にしておくとしよう。それよりもダークホースは…」 「あぁ、榛葉、夢‥だろうな」 「榛葉 夢から目を離すな。オタクだからと油断はできない。愛雫華に害をなす奴か、確りと見極めろ。いざというときは容赦はいらない。」 「潰せ」 俺の知らないところで、着実と、世界は変わっていた―…  
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