第四章

3/3
前へ
/29ページ
次へ
ゆっくりと歩いていき、リビングへと繋がる扉を開けた瞬間、俺の視界に、見覚えのある黒いもじゃもじゃが写った。 「榛葉‥くん、、?」 そう、それは榛葉くんのオタクヘアー。 今日初めて見たソレは、インパクトが強いせいか、直ぐにリビングに居るのが、榛葉くんだと分かった。 でも、何で榛葉くんがここに? というかどうやってここに‥? 俺の頭の中には次々と疑問が生まれてくるが、予想外の人物の出現に一体何から聞いて良いのか、サッパリ分からない。 「あれ、メダカ帰って来てたのか?全然気付かなかった!」 俺の声が聞こえたのか、見ていたテレビから視線を外し、悪びれもなく、且つ嬉しそうにそういう榛葉くんに、俺の口は一向に閉じようとしない。 「どうした?黙っちゃって」 驚き、何も喋らない俺に痺れを切らしたのか、榛葉くんは座っていたソファーから身を乗り出して俺に声を掛けてくる。 「なんで、‥?」 やっとの思いで口から出した言葉は、その一言だけだった。  
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2230人が本棚に入れています
本棚に追加