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ゆっくりと歩いていき、リビングへと繋がる扉を開けた瞬間、俺の視界に、見覚えのある黒いもじゃもじゃが写った。
「榛葉‥くん、、?」
そう、それは榛葉くんのオタクヘアー。
今日初めて見たソレは、インパクトが強いせいか、直ぐにリビングに居るのが、榛葉くんだと分かった。
でも、何で榛葉くんがここに?
というかどうやってここに‥?
俺の頭の中には次々と疑問が生まれてくるが、予想外の人物の出現に一体何から聞いて良いのか、サッパリ分からない。
「あれ、メダカ帰って来てたのか?全然気付かなかった!」
俺の声が聞こえたのか、見ていたテレビから視線を外し、悪びれもなく、且つ嬉しそうにそういう榛葉くんに、俺の口は一向に閉じようとしない。
「どうした?黙っちゃって」
驚き、何も喋らない俺に痺れを切らしたのか、榛葉くんは座っていたソファーから身を乗り出して俺に声を掛けてくる。
「なんで、‥?」
やっとの思いで口から出した言葉は、その一言だけだった。
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