第一章

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「おっ俺、榛葉 夢(ハシバ ユメ)よろしくな!」 「うん、よろしく‥」 思えばそう答えた瞬間から俺のリズムはズレ始めていたのかもしれない‥。 噂の転入生、 榛葉 夢が俺に声をかけてきたのはそれはもう然り気無い流れの中でだった。 顔を赤くしながら人懐っこく笑ってきたそいつに、思わず俺もつられて笑ってしまったんだ。 ********* 「おら、席につけ~」 どかどかと教室に入ってきた担任に周りは一斉に湧いた。 『キャー、カッコイイ』 『抱いて---』 とかいろいろ。 俺も勿論それは一緒で、さっきからずっと 「せんせ-、抱いて-」 と、叫んでいる。 若干声がひっくり帰ってるのは多目に見てほしい。 これでもかなり頑張ってるのだ。 「せんせ-、、、かっくぃ-」 ということで俺が担任に、しかも似非ホストに若干疲れぎみに、半ばヤケクソで叫んでいるのには訳がある。  
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