プロローグ

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 グラハム・フォン・ランディール男爵は頭を抱えていた。 「むぅ……」  煌びやかに装飾された部屋の、ど真ん中に配置された、これまた豪華な机に、ふわふわとした椅子に腰掛けて、男爵は悩んでいた。 「しかし、なあ……」  その悩みの種は、男爵が向かっている机の上に置かれた、一通の手紙であった。  男爵は一応貴族であるものの、騎士を抜かしては実質最低ランクであり、他の貴族より苦労ごとは多い。  今回の件についてもそうだった。
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