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これが他の子爵の願いならば、迷わず断っていただろう。
しかし、曾祖父の時代から親交のあるヴォルヘルム家だからこそ、断ることが出来なかった。
何より、ベルツには世話になった恩義が数えきれない程にあったのだ。
「しかしなぁ……」
男爵が生きてきた中で、貴族の娘はまともな娘が居なかったことも、男爵は誰よりも判っているつもりでいた。
男爵としては受け入れたい。しかし、受け入れたロクデナシの面倒は誰が見るというのか。
コンコン、とこぎみのいい音が部屋に響いた。
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