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それでも、僕は親友の笑顔を見て、再び惑わされてしまった。もしかしたら、僕が聞いた彼の言葉の方が嘘だったのかもしれない。あるいは質の悪い冗談だったのかもしれない。少しでも可能性があるのなら、それにすがりつこうとする。そして、これからもずっと彼と親友でいたいと思う。心の中で様々なものが錯綜し、雑巾のように捻れてしまいそうだった。
僕には親友を憎むことができない。たとえ彼が僕を嫌っているとしても、僕にはそれに反発することも、憤ることもできない。ただここで椅子に座って、自分の膝を握り締めることしかできない。
どうすればいいのだろう。彼は僕をどうしたいのだ。僕は彼に何をすればいいのだ。僕にできることはないか。彼が僕に願っていることはないか。何をすればいいのだ。分からないことが多すぎる。なぜ彼が僕を嫌うのか。どれか一つでも知ることができるなら、どんな犠牲を払ってもいいとすら思える。
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