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その中の一人には、僕の親友も含まれていた。家がすぐ近くにあるため、物心がついた頃から一緒に過ごしていた。そのくせ彼は僕とは対照的な人間で、いつでも生き生きとしていて、他人と関わることを大いに好んだ。引っ込み思案で気弱な僕を、彼は何度も助けてくれた。親友は僕の最大の理解者で、僕もまた彼のことを知り尽くしていた。
中学に入学して二ヶ月ほど経つ今、なかなかクラスに馴染めない僕にとって、彼は周りの人間との窓口のような存在になっていた。彼のおかげで僕は教室に居場所を作ることができたし、彼がいなければ僕は誰からも存在を知られなかったかもしれない。
彼は今何をしているのだろうか。教室で友人たちと騒いでいるのだろうか。あるいは体育館を借りて運動しているかもしれない。いずれにしても、僕のように一人で湿った場所にいる姿は想像できない。
僕は目に付いた本を手に取り、立ったままそれを開いて読んだ。文字の連なりが流麗な形を成して頭に入り込む。僕はその感触に安心感に似た快感を覚える。流されるように文章を目で追い、その情景を心に映し出す。
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