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 考えるうちに頭が痛くなってきた。もう一度目を閉じると、見えてくるのは親友の姿だけだった。彼との思い出の一つ一つが走馬灯のように巡る。しかしそこに見えるのはもう自分に最も近い存在ではない。二度と近づくことのない、心の壁で隔絶された存在だ。少なくとも、彼はそう思っている。  悲しくはない。怒りもない。ただ自分自身が恐ろしく無価値なものになったような気がした。もう二度と彼と心から笑い合えることはないだろう。僕には彼のことを信じることすらできない。今まで築いてきた色々なものが静かに崩れ落ちるのを感じた。  僕は立ち上がった。いつまでもここにいるわけにはいかない。いたくもない。僕は保健室へ向かうことにした。適当なことを言えば帰してくれるだろう。今の時間は何の授業だっただろうか。何でもいい。今は学校を出て行きたい。  保健の先生は都合良くまともな対応もなしに早退を許した。僕は荷物も取りに行かずに校門を出て、ふらつく足取りで家路に着いた。
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