17人が本棚に入れています
本棚に追加
/209ページ
流石に若い男女が一緒の部屋はマズイと遼一は詩音の母親に抗議するも「正義の味方はムラムラしないよ」と変な理屈で断られた。
仮にも詩音は未来の母親でもあり、遼一…いや奨には立派な彼女もいるため間違いは絶対に起こさない自信は彼にはあったため
遼一はしぶしぶ納得をしたのだったが改めて考えるとどうしてこうなるかが全くと言っていい程わからない。
「はぁ……これからどうなるんだろう…ほんとに………」
ため息をついた彼はベランダに出て夜空を眺めた。
夜空に浮かぶ星達は儚げにその身体を光らせている。そんな星達が自分自身の姿と重なって見えてしまったのだった。
「剣崎…くん…?」
夜空を見上げた遼一のそばに風呂上がりの詩音がやってきた。
詩音は可愛らしいパジャマを着ている。濡れた髪と制服の時よりも大きく感じさせる胸が遼一の鼓動を早めドキドキさせた。
色っぽく感じさせる彼女のその姿に遼一は息を呑んだ。
変に意識しないように頭の中では「煩悩退散…煩悩退散」と必死に呟くが夕方のあの姿がどうしても思い浮かんでくる。
頭を抱え、少し不審な言動をする遼一に詩音は「どうしたの?」と聞いた。
「あ、いや……ナンデモナイヨ……ほんとに…ナンデモナイヨ」
と、必死になって詩音から目を逸らしながら遼一は大丈夫だ、とアピールをしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!