残された銀の音色~出会いは突然に~

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彼女は遼一に近づくと握手を求めてきた。 (瑠莉子さんも納得してくれたんだ……とりあえず良かったな) しぶしぶとはいえ認められたことが嬉しかった遼一は笑顔で彼女に握手をする。 「よろしくね黒芝さん」 「こちらこそよ・ろ・し・く・ネ!!」 「っ~~!!」 瑠莉子は遼一の手を力強く握った。あまりにも突然すぎる出来事と痛みに堪えた遼一に瑠莉子はニヤリと黒い笑みを浮かべている。 「剣崎く~ん大丈夫?」 白々しく彼女は遼一に近づくと耳元で囁いた。 「詩音ちゃんをどう言い含めたかは知らないけど…彼女に一度でも触れてみなさい。あなたの明日はない………かもよ?」 その言葉に遼一の背筋は凍りついたのだった。 それと同時に彼の頭から今まで見てきた瑠莉子の優しい微笑む印象が崩れさったのであった。 「遼ちゃんと瑠莉ちゃん…どうしたの?」 何が起こったのかわからない詩音は不思議そうに2人に尋ねる。 「何でもないわ……ねぇ剣崎くん?」 遼一はコクコクと首を縦に振った。 「大変だが頑張れよ」 そんな彼に八雲は肩を叩き励ます。遼一が彼の方を見ると 俺にもわかる、というような顔をしている。 それを遼一は哀れられたと思い、その意味で心に受け止めた。
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