残された銀の音色~出会いは突然に~

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■ ■ ■ その日『森下 由綺』は面白いモノを拾った。 それは少し細長い長方形の機械でイヤホンがついている。 「ラジオ……かな…」 拾ったモノを見る由綺の目は輝いていた。 ラジオにも見えないその機械を彼女は新しい音楽プレイヤーと考えた。 それに興味を持った由綺は校内で落ち着く場所……図書室へ向かった。 図書室には幸い誰も居なかった。由綺は適当に座り、その機械を改めて見つめている。 「……ごめんなさい…」 持ち主には申し訳ないと思いながら由綺は耳にイヤホンをつけ、それをいじった。 興味本位とはいえ人の持ち物を勝手に使ってしまったことに由綺は後悔した。 「……やっぱりこんなことをしちゃダメ……だよね…」 そう呟いた彼女がイヤホンを外そうとした瞬間--- 「………えっ!?」
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