残された銀の音色~出会いは突然に~

6/22
前へ
/209ページ
次へ
-------- ----- -- 「う……ここは…?」 目を開くと白い天井が目に入った。 由綺が周りを見回すと一人青年が彼女を心配そうに見つめている。 その青年『汐浜 徹』は由綺が目を覚ますと目に涙を浮かべていた。 「…徹…く…ん」 涙を浮かべる徹の頬に由綺は手を伸ばし触れた。 「由綺?」 触れられた手を握りしめた徹は由綺に優しく聞き返した。 「……また心配かけたね……徹くん、ごめんね……」 そう言う由綺に徹は首を横に振ると、「何があったんだ?」と尋ねる。 「うん……それがね-----」 由綺は徹に心配させないように話した。 話し終わると徹はポケットから音楽プレイヤーを取り出すと「これのことか?」と聞いた。 「うん……」 再び恐怖心が彼女を襲うとする だが由綺は負けなかった。もう一度音楽プレイヤーを目にやると由綺はあることに気が付いた。 (この音楽プレイヤー……傷があまりついてない…。…これの持ち主さんは大切にしてるんだ……) そう見て感じた由綺は徹に「それ……私に貸して…」と言った。
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加