残された銀の音色~出会いは突然に~

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ずっとそこに居たのか、恋は大量の汗を掻いている。 いつ倒れてもおかしくはない恋の姿に湊の胸が苦しくなり 急いで彼女に駆け寄った。 「恋ちゃん!!」 「…み…な……ちゃ……」 湊の呼び声に振り向こうとした恋だった。体がいうことを聞かずそのまま倒れた。 「大丈夫恋ちゃん!?……恋ちゃん!!」 駆け寄った湊は恋の身体を揺すり呼び掛けるが反応がない。 ただわかるのは恋が苦しそうな表情をしていることだった。 「恋…ちゃん…。」 湊は近くにいた男子生徒を呼び止め、恋を保健室へ連れて行くのを手伝ってもらった。 (兄さんのバカ……兄さんのせいで…恋ちゃんがこんなに傷ついて苦しんでいる……。こんな心配をかける兄さんは最低です…。) 湊の中で悔しさと怒りがこみあげてくるのだった。 …… …………… ……………………
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