新春

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新春

深い雪の季節は過ぎ去り、新しい春を迎えようとしている今の時期、学生の身分にある者達は進級、または進学や就職が出来るのかどうかが一大問題である。 「うううぅぅん…;」 俺の前の席で唸っている男は友人の雲野実、好き放題に欠席したので単位は危うい上に、テストも殆どが赤点と、かなり追いつめられた状況のようだ。 ちなみに俺は数学と英語の2つを落としてしまった… だが雲野のとは違い、授業には真面目に出ていたので単位は全く問題ない、また、各教科の先生から出された「宿題」をやる事で、10点ほどサービス点が付けられる、これにより赤点の数学と英語もギリギリで回避が出来た、しかしテストそのものはダメダメだった訳で… 『木村、お前も赤点なんだろ?』 ひとしきり唸った後、後ろの席に座る俺の方を振り向いて、そう訪ねてきた。 『相変わらず数学と英語は赤点だが…「宿題」をやったからな、ギリギリセーフだ』 『なに!お前「宿題」をやったのか!?マジかよ…あの面倒くさいのをか』 『ああ』 雲野が面倒くさいと言うのは確かだ、とても10点と言う点数に見合わない量の宿題だからだ、しかし毎回毎回…赤点確実な数学と英語を落とさない為に、必死な努力をしている。
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