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『雲野』
『ん?』
名前を呼ばれて振り向くと、そこには友達の「緒方真」が立っていた、言うまでもなく別のクラスである。
『よぉ~』
俺はユルユルと手を上げて、挨拶をする。
『なんか眠そうだな?』
『結構眠いな、二時間くらいしか寝てないからよ』
『二時間!?』
『追試験があるからな、否応なしに勉強せざるおえなくてよ』
『なんだ追試か、何を赤点とったんだ?』
『ん…全教科』
『なんだ、全教科赤点か………………全教科だって!?それはマズいだろ!』
緒方は「なにぃ!!」と言う表情で驚愕していた、当たり前か;…全教科赤点なんて滅多にないだろうからな。
『だから死ぬほど勉強したんだ、…今日は追試験の最初から最後まで顔を出すから、間違いなく先公共に覚えられるぜ』
『そりゃ赤点キングとして、有名人になるだろうな』
『くっ…この美形男子が、赤点キングの汚名を受ける羽目になるとは』
『自分で美形とか言うな!』
俺と緒方は廊下を歩きながら、そんな雑談をしつつ、追試験場を目指して歩く。
『……………』
区切りがついた所で会話は止まる、良く見ると緒方の顔色は優れない、何か疲れたような様子がある。
『どうかしたのか?』
『…何が?』
『なんか疲れてるみたいだからよ』
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