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『そう見えるか?』
『見える、…なんかあったのか?』
『………』
緒方はそこで再び黙り込む、あまり深く聞いちゃマズい内容なのか?だとしたら、いくら友達であろうと首を突っ込むのは主義じゃない。
『困っていて、誰か手助けが必要だと思った時は言ってくれ、大したことは出来ないけどな、力になるぜ』
『ん…ああ、そんときは頼む』
緒方は微妙な表情で頷いた。
『っと、おい雲野、もう追試験場に着いたぜ?』
『え?あ、そうか、話に気を取られてて、ついつい通り過ぎる所だったぜ…じゃあな緒方』
『おう、追試ガンバレよ!』
そうして緒方と別れた俺は、放課後で人気が少なくなっている校内でありながら、未だにザワザワとした何人もの生徒が集まる教室に入る。
『けっこう追試の奴って居るんだな、…全教科はさすがに俺だけだとは思うけど』
そうブツブツ言いながら、適当に開いてる席に座って追試験が始まるのを待つ事にした、追試の内容はテストと同じなので、そこを重点的に勉強すれば、普通ならそれなりの点は取れる、だが基本的な勉強不足がたたって、解き方すらあやふやだった俺は友達に聞いたりして、猛勉強したのだ、なんとしても合格しなくては…
俺はもう一度、解答済みのテストを見直して答えを頭に叩き込む、進級をかけた追試と言うケンカ以上に厳しい戦いが始まるまで後僅かだ。
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