相談

3/13
75人が本棚に入れています
本棚に追加
/112ページ
俺は再び受話器を顔に当てて、雲野に話かける。 『雲野』 (おう、どうだった?) 『お前、怪しいから教えたくないって』 (ぶはっ;怪しい!?俺って霧島ちゃんに怪しまれてたのかよ!) 『それは冗談だ、が、本人の承諾無しに教えられないって意味だろう』 後ろで俺の言葉を聞いている筈の霧島さんからは、何のツッコミも無いのが、どこか引っかかるものがあるけど、俺は雲野にそう伝えた。 (じ…冗談か…本当なら少しばかりショックだった所だぜ、…とまあ、それは冗談だから良しとして、電話番号は当然か…) 『悪いけどな』 (いや、仕方ないさ、…うーん、どうやって連絡つけようか…) 『お前、そんなに黒澤さんに連絡したいのかい?』 (相談したい事があるんだ) 『んー…その内容を霧島さんが、黒澤さんに伝えるって手もあると思うが?』 (そうなんだけど…なかなか複雑な事情でな、できれば本人に直接話がしたい) 『一応聞くけど…ナンパとかじゃないよね?』 (ああ、違うぜ、真面目な話だ) どうも雲野が真面目な話と言っても、次の瞬間には「黒澤ちゃんと、真剣にお付き合いしたいと思って…」とか、ふざけた台詞を言うような気がするのだが、声色からして本気を感じる…ような気がした。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!