ミステイク

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ミステイク

要するに…失敗談(笑)。 学生時代の私は見事に三拍子揃っていました。 三拍子? そう…三拍子です。 まず最初に“太い”…小6の時に70㎏ありました。 次に“暗い”…鉄道マニアでした。 そして“丸い”…性格ではなくて顔が(笑)。 太い、暗い、丸い…完璧なまでの“もてない三拍子”を備えていました。 しかしそんな学生時代を過ごした私も社会人になってすぐに恋をして、憧れの彼女とついにデートの約束をしました。 デートの数日前から「何を着て行こうか」とか、「食事はどこがいいだろうか」いわゆる当日のデートの段取り…ちなみに英語で言うとダンドリング? 今のは嘘です(笑)。 とにかく興奮して眠れない。 前日になって、ようやく着て行く服が決まりました。 黒いスタンドカラーのシャツ。 カラーというのは襟の事、つまり襟首が立っているタイプのシャツです。 それに下は、当時流行っていたチェックのゴルフスラックス。 そしてポイントは、春物の白い綿のセーターを着ずに肩から掛ける。そう、今でいうならば石田純一スタイルですね。 鏡の前で「完璧や!」とうなずいた私は、もう一つ大事な事に気付きました。 それは…寝押し(笑)。 布団の下にスラックスを敷いて寝てスラックスのシワを伸ばしたり、折り目をしっかりするための昔の人の知恵みたいなものです。 で、早速スラックスを自分が寝る敷き布団の下に敷きました。 朝になって驚きました。 折り目の位置がちがう。 もうお気づきの方もあるかと(笑) そうです、真っ正面から寝押ししてしまったのです(笑)。 一応履いてみましたが、まるで袴を履いているようで(笑)。 結局その日は、ジーンズでした(笑)。
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