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たったひとつの病
いままでで、たった一度だけ病気にかかったことがあります。
明け方夜勤の仕事がやがて終わるという時に突然それはやって来ました。
腹部への激痛がはしり、生まれて初めて救急車に乗りました。内心、明日の今頃は生きていられるかなとさえ思いました。検査の結果は「腎臓結石」でした。
「小さな石だから薬で溶けてしまうから手術の必要はありませんよ」
座薬を入れて、点滴打って薬貰っておしまい(笑)
その時思いました、健康がどれだけ大切なことかって、病気したことがなかったからこそ気付いたのです。
車なら故障したら部品を交換すればいい、でも人間は?
それを考えたらゾッとしました。
私は医者に言いました「病気なんてこの世からなくなればいいのにね」
すると「無くなったら困る、病気があるから人間は優しくなれる」
なるほどと思いました。
雪山に登るパーティーの中に必ず身体の不自由な人を連れて行きます。そうすると遭難しないんです。なぜなら、みんなでその人を気遣いながら無理せず慎重に登るからです。先生の話を聴いてそれを思い出しました。
そして先生は「どんな人でも必ず一つだけ心に病を持っていたほうが人は頑張れる」
なんだか、恋と同じ、ていうか、そういう事ですね。
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