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その時、俺はある事に気が付く。
ヤベェ……ヤベェぞ…このクラス……
長年の経験で培った不幸事レーダーがフルスロットルで警報を鳴らしてやがる。
よく考えたら、こんな鬼のようなツラで教室に飛び込むアホに何の反応も示さないはずがない。
なのに我がクラスメートときたら、日常茶飯事です。 とでも言わんばかりにガン無視で会話してる。
さっきの女の子と同じ臭いがする。しかも全員揃って。
「あっはっはっはー。遅れてしまったー。すまないな諸君ー。」
「噂をしたら来やがったよチクショウ!!!!!」
さっきの改造チャリ娘が教室に入ってきた。窓から。
ちなみにここ2階なんだけど。
いや、それより変人が一人増えてしまった。
ていうか何?この学校。
朝轢き殺されかけた事といい、無愛想な先生といい、クラスの諸君の態度といい……
全然まったく普通じゃなくね?
平和な高校生活とか無理っぽくね?これ?
俺早くも挫折しかけてんだけど。
改造チャリ娘が来た事で、ようやく先生が動きだし、口を開く。
「…ああ。彼女が来たから全員そろったね……よろしい…では、席に着いてくれるかい…?」
なんで疑問形?
ていうか、なんかフラフラしてんだけど先生。
大丈夫なのかアレ?
死ぬんじゃね?アレ死ぬんじゃね?
尋常じゃないぐらいフラッフラですけど。
「君達にはこれから入学式のために体育館へ移動してもらう……知っての通りこの高校は少し特殊だ……何が起こるか分からないが……まあ…死なないようにな…」
……………は?
アレ?入学式ってそんな覚悟あるイベントでしたっけ?
……いや違うよね。絶対違うよね。
なに特殊って?何をどうしたら入学式で命が危険になるの?
冷や汗を濁流の如く垂れ流す俺は、これからの事にとてつもない不安を抱えながら教室を出た。
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