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ヘラヘラと笑いながらチャリ娘―――名波は俺に問い掛ける。
「にゅーがくしきにでないのかー?」
「……あたり前だろ。なんで命の危険を知らされてんのに、そんなもんに出ないといけねーんだ。」
「………ふーん。そーかそーか。」
名波は納得したようにウンウンと頷き、一言。
「お前案外ヘタレなんだなー。極悪面の癖に。」
「…ぐ……」
このやろ……違った。
この女…俺的禁止ワードを……
メッチャ傷つくんだぞ。繊細なんだぞ俺は。
若干涙目の俺を見て、名波は溜息をつく。
「……お前、ホントのホントに何も知らないのかー?」
「…?……どーいう事だよ?」
名波は笑顔をやめ、眼を細める妙な表情で俺を見る。
そう、まるで憐れんでるみたいな―――
「……ここは普通から外れた人間が来る学校。神に取り憑かれた人間の集まりなのさー。」
「……………は?」
いや、意味が分からない。
コイツは何を言ってる。
「……ま、その内わかるさー。」
名波がフッ…と笑うと同時に背後から物音が聞こえ、慌てて確認する。
どうやら立てかけてあった箒が倒れただけのようだ。
安堵の息を吐き、顔の向きを戻す。
「……………………………………………………………名波…?」
名波が居なかった。
ここに出現したのと同様に、名波五十鈴はその姿を掻き消していた。
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