~逃走1~普通に“異常”な入学式。

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ヘラヘラと笑いながらチャリ娘―――名波は俺に問い掛ける。 「にゅーがくしきにでないのかー?」 「……あたり前だろ。なんで命の危険を知らされてんのに、そんなもんに出ないといけねーんだ。」 「………ふーん。そーかそーか。」 名波は納得したようにウンウンと頷き、一言。 「お前案外ヘタレなんだなー。極悪面の癖に。」 「…ぐ……」 このやろ……違った。 この女…俺的禁止ワードを…… メッチャ傷つくんだぞ。繊細なんだぞ俺は。 若干涙目の俺を見て、名波は溜息をつく。 「……お前、ホントのホントに何も知らないのかー?」 「…?……どーいう事だよ?」 名波は笑顔をやめ、眼を細める妙な表情で俺を見る。 そう、まるで憐れんでるみたいな――― 「……ここは普通から外れた人間が来る学校。神に取り憑かれた人間の集まりなのさー。」 「……………は?」 いや、意味が分からない。 コイツは何を言ってる。 「……ま、その内わかるさー。」 名波がフッ…と笑うと同時に背後から物音が聞こえ、慌てて確認する。 どうやら立てかけてあった箒が倒れただけのようだ。 安堵の息を吐き、顔の向きを戻す。 「……………………………………………………………名波…?」 名波が居なかった。 ここに出現したのと同様に、名波五十鈴はその姿を掻き消していた。
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