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体育館。
生徒諸君が汗水垂らしながら、鬼のような体育教師に労働させられてしまうスポットだ。
だが、今現在、ここでは入学式がおこなわれている。
そして、俺、笹原悠斗もここにいる。
ただし、体育館の扉のすぐ外に。
「……やっぱこなきゃ良かった…」
あの後、普通に帰ってやろうかとも考えたが、名波のセリフが妙に気になり、結局きてしまった。
というか、あんな思わせぶりなセリフでは誰だって興味を持つだろう。
(……いや、それとも…俺を来させる為にあんな言い方を…?)
考え過ぎかも知れないがそう考えても無理はない。
何しろ名波は、この短時間でも分かるほどの異常人物だ。
何を考えてるかさっぱり分からん。
「入学式……」
あの女教師の話では命に危険があるらしいが……
ここまできてしまったのでは今更引き返せない。
というか冗談かもしれないしな。
うん。ポジティブポジティブ。
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