~逃走1~普通に“異常”な入学式。

9/19

120人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
     † 体育館。 生徒諸君が汗水垂らしながら、鬼のような体育教師に労働させられてしまうスポットだ。 だが、今現在、ここでは入学式がおこなわれている。 そして、俺、笹原悠斗もここにいる。 ただし、体育館の扉のすぐ外に。 「……やっぱこなきゃ良かった…」 あの後、普通に帰ってやろうかとも考えたが、名波のセリフが妙に気になり、結局きてしまった。 というか、あんな思わせぶりなセリフでは誰だって興味を持つだろう。 (……いや、それとも…俺を来させる為にあんな言い方を…?) 考え過ぎかも知れないがそう考えても無理はない。 何しろ名波は、この短時間でも分かるほどの異常人物だ。 何を考えてるかさっぱり分からん。 「入学式……」 あの女教師の話では命に危険があるらしいが…… ここまできてしまったのでは今更引き返せない。 というか冗談かもしれないしな。 うん。ポジティブポジティブ。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加