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不意に学園長が顔を上げ、俺を見据えて確認するように問い掛ける。
『………おいクソガキ。お前の名前は笹原悠斗で間違いないか?』
「…?…はい。そうっすけど……?」
恐る恐るといった感じで尋ねてくる暁学園長に首を傾げながらも返事をする。
ていうか、今気付いたけど、舞台上にいる学園長と会話してたせいか目茶苦茶注目を浴びてるし。
顔面のせいでこういう視線に馴れてるから気付かなかった。
おのれ顔面。
『………成る程な。
お前がそうか……ふむ。』
視線の先では学園長がブツブツと何かを呟いている。何だろう?
『………あー、まぁいいや。
笹原悠斗、お前後で学園長室に来い。以上だ。』
「は?」
急に呟くのをやめて、俺にそう言ったかと思うと学園長は、不機嫌そうに頭を掻きながら舞台裏へと消えた。
え?何?どゆ事?
『え、えーと……学園長の挨拶が終わりましたので、次の新入生代表による挨拶に移りたいと思います。』
何やら頭のハゲた初老の男性が慌てた様子で司会進行をする。
そして俺の周りでは、
『……あいつ…何やらかしたんだ…?』
『……さあな…あんな面なんだ、どんな事しててもありえる…』
『……学園長に刃向かう(?)とは……馬鹿なやつめ…』
『…あれだなー、殺人とかの容疑をかけられてるんだよー。あの顔だしさー(笑)』
『…マジでか…』
『俺。この入学式が終わったら結婚するんだ…』
『死亡フラグ乙。』
生徒達がもの凄い視線でこちらを見て、それわざとやってんの?ってぐらいの音量でヒソヒソと話していた。
あと名波、お前は後でぶっ飛ばす。
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