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若干殺意を覚え始めた俺に対して
ヘラヘラと笑っている学園長だったが、流石に冗談にもあきてきたのか、ようやく本題に入ろうと口を開く。
「ま、ホントの事を言うとだな。お前がここに入学しちまったのは俺のせいだ。」
は?と思わず聞き返してしまった。
慌てて口をつぐみ、次の言葉を待つ。
「俺も一応変わった能力持っててな。
“特殊な能力、環境にいる人間を探し出し判別する”っつー能力者探知能力。
“能力検索(スペックネット)”とかいう微妙な能力なんだが……
これが生徒を判別すんのに便利でな。
俺が最終確認的な意味で受験者の能力確認をしてお前みたいのが紛れ混まないようにする……………ハズなんだが……」
ここで学園長は言葉を切り、少し顔をしかめて俺の顔を見る。
「え、と……?見逃しちゃったって事ですか?
あ、だったら俺今からでも転校を―――」
「ちげぇよ。忘れてんのか馬鹿なのか知らねぇが、そもそもお前は特待生としての入学だろうが。
つまり……俺ら学園側がお前を呼んだんだ。」
「………え?」
どういう、事だ?
意味が分からない。訳が分からない。
そして何より理由が分からない。
俺が、呼ばれた?
「……お前の場合はちくっと特例でな。
……これが。」
「……は?」
「ま、つまり、だ。」
一拍おいて。
「わりーんだが、お前にはこのままこの学園に滞在してもらう事になる。」
………………………。
なん、だ…それ。
「ふ、ふッざけんなッ!!
なんで―――」
おかしいじゃないか。
俺は普通になりたいんだ。普通がいいんだ。『普通』じゃないといけないんだ。
なんだってそんな自分から異常に飛び込むようなマネをしなくちゃ―――
「……これはお前の親父と関係してる事だ。」
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