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ここは、冒険者達を育てる学校。名は『クロスティーニ学園』。
今日はこの学校で入学式が行われる。彼女-カンナ・スフォルツァンドもまた、今日入学する生徒の一人である。
体育館での入学式を終え、教室に向かう。運の悪いことに(?)、彼女のクラス担任は横暴で名高いダンテ先生であった。
少なくとも友人関係だけは充実させよう。そう思って気の合いそうな人を捜す。学園での生活はもちろん、冒険でも仲間は重要な存在となる。
とはいえ……。竜の血を引く種族であるバハムーン族の彼女からすれば正直他種族など果てしなく低い立場に見える-特にヒューマン-せいで何とも言い難い。と、そこに
「ねぇ、キミ一人?よかったら一緒に組まない?」
突然声をかけられた。慌てて振り返るが、目線の先には誰もいない。
目線を落とす。
(…ああ、ドワーフか。)
獣に似た、小柄な体格のドワーフ族の少女が話しかけてきていたのだった。
「あっ、いきなりゴメンね。私、チルル。チルル=コン=フォーコ。竜騎士志望なんだけど、今は戦士科やってるの。格闘家の友達もいるんだけど、やっぱバハムーンさんがいると心強いもんね。どうかな?」
ドワーフも戦士系学科に向く。そしてバハムーンはそれ以上に戦士系学科に向く。チルルとしては、その実力を買いたいのである。
どーでもいいが、この満面の笑みと尻尾を『ぱたぱた』させるのは彼女なりの『おねだり』なのだろうか。
「ふ~ん、いいわよ。あなたと一緒なら担任がどうでも楽しくやってけそうだし。あたしはカンナ。カンナ」・スフォルツァンド。よろしくね。」
こうして最初の仲間ができた。
「あのっ、よかったらボクも入れてくれませんかっ!?」
彼が声をかけてきたのは、それから間もなくのことだった。
髪の一部が触覚のように立っているのが目立つ緑の髪の少年。レンジャー科に所属するフェアリー族のエスト(本名:エストレーシャ・アラルガンド)だ。
「ボク、戦闘とかはあまり自信ないですけど、罠の解除とかは得意なんです。もしよければ皆さんのお役に……。」
「あ~もう、堅苦しい挨拶とかやめよ?」
チルルが遮る。
「そうね。一緒に冒険したりするのに、いいも悪いもないわ。」
エストは一瞬当惑した表情を見せたが、すぐに、
「あ……、ありがとうございますっ!」
と、自分を仲間に入れてくれた二人と握手しようとした。
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