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厚木は敬礼しながら二条に報告する。
「なるほど、まるでお伽話ね。
分かりました。厚木二尉、報告書の提出をお願いします。」
「アイサー!!」
厚木が返事を返すと、二条は手持ちの書類を纏めて席を立った。
それを追いかける様に二人のスーツも立ち上がり、二条の後に付いた。
『ガチャッ。』
三人が出て行った後、部屋は静かになる。
「では、今日は三人共お疲れの事と思います、部屋を割り当てますのでしばらくお待ち下さい。
あと厚木。」
「アイサー!」
「白木さんは見た所、普通の高校生の様だ。
もし、不都合などあったら聞いてやってくれ。」
「アイサー!」
それだけ言って片桐は部屋を出て行った。
片桐が出て行く背中を見ながら奈美は肩の力を抜いてため息をつく。
「ハァ~、どーなるんだろアタシ。」
その奈美の肩をポンと叩いて。
「大丈夫だよ、俺が付いてるからさ。」
聡が言う。
「そうですじゃ。何の心配も要りませんぞ、姫。」
二人に励まされ奈美は頷いた。
「うん。」
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