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廊下を歩く奈美と聡、ある部屋の前に差し掛かるとドアが開いて天照が顔を出す。
「おっ!姫、食事ですかな?ワシもお供いたしますぞ。」
「あっ、天照さん。一緒しようか。」
天照の顔を見て奈美はニッコリ笑って声をかけた。
「チッ、お邪魔虫。」
聡は非常に小さな声で呟いたが、天照は聡の顔の前に顔を近づけて覗き込む。
「まぁ、まぁ、そう言いなさんな。
食事はみんなでした方が旨いんじゃから。」
そう言われてのけ反る聡。
三人は長い廊下を並んで歩いた。
体育館に入ると大勢の避難している人達が炊き出しに並んでいた。
奈美達が並んで暫くすると前から小さな女の子が、大きなお盆におにぎり数個とお茶の入ったペットボトル三本を乗せ、ふらふら歩いて来た。
少女は見た感じ小学生一年生か二年生ぐらいに見えた。
【危ないなぁ~、あの子。】
と思っているうちに、奈美の数人前までやって来た。
「あっ!」
少女が奈美の脇に来た瞬間、並んでる人の足に躓いて転んでしまいそうになる。
そこを奈美は咄嗟にお盆を受け止めた。
『ゴンッ!』
「わちゃー!大丈夫!?」
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