《届けられた物》

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奈美の言葉に明日香は再び元気な声を取り戻した。 体育館の隅の方まで来ると大勢の人の中から明日香の祖母と思われる老婆が歩み寄って来た。 「明日香ちゃん、ありがとうねババ助かる~。」 優しい声で明日香を迎えた。 「おや、どなただい?」 明日香の脇に立っている奈美に気付くと老婆は不思議な顔をして、聞いて来た。 「あっ、アタシは白木奈美って言います。」 奈美は持っていたお盆を老婆に渡しながら挨拶をした。 「奈美お姉ちゃんだよ、お姉ちゃんがお手伝いしてくれたんだよ。」 奈美の脇で得意げに明日香が笑いを浮かべる。 「そうかい、奈美さんもありがとうございますね、どーしても自分が行くって言うもんだから…私も足を悪くしてて、つい明日香にお願いしたんだけど…助かりました。」 老婆はそう言って頭を下げた。 「奈美お姉ちゃんも明日香と同じでパパとママとはぐれたんだって。」 屈託なく明日香が微笑む。 「そうかい、大変だったね~。 奈美さんは一人なのかい?」 「あっ、アタシは友達と知り合いと一緒です。」 「そう、これも何かの縁だからよろしくお願いしますね。」
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