《届けられた物》

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そう言って老婆は再び頭をさげる。 「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。」 奈美も老婆に頭を下げ、再び明日香に視線を送りながら手を振る。 「じゃ、明日香ちゃんまたね。」 すると明日香は奈美に近づいて来て、 「お姉ちゃんは何処にいるの?」 「あっ、アタシは自衛官の宿舎の方にいるからちょくちょくこっちに来るよ。」 「体育館じゃないんだね、ふーん。 でも分かった、明日も来てくれる?」 「うん、明日も来るよ。 じゃ指切りね。」 奈美は右手の小指を差し出した。 「うん!指切りゲンマン!」 すぐに明日香も自分の小指を絡ませて来た。 「「指切りゲンマン!!」」 二人で絡めた手を振り約束を交わす。 「よかったねぇ~明日香。」 老婆は明日香の頭をなでなから微笑んだ。 「うん!」 明日香は老婆を見上げ笑い顔を見せる。 奈美も二人の様子をみて微笑む。何となく、心が嬉しくなっていた。 「じゃ、また明日ね。 バイバイ!!」 奈美は二人に別れを告げ聡達の元へ歩き出した。 途中、幾度となく振り返って見ると小さな明日香が体を揺さぶり手を振るのが見えた。
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