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激しく揺れ始める機体。
『カボッ!ガ、ガ、ガ、ガ……………バーーーン!!』
さらにすざましい音がして機体は先程とは比べものにならないくらい揺れはじめる。
「キャー!!」
「どーなってるんだ!?」
「落ちるー!」
座席のシートベルトに括り付けられた状態で乗客達が騒ぎ出す。
「落ち着いて下さい、大丈夫です。」
CAが慌て乗客を落ち着かせ様とするがしかし、機体はその中にいる誰もが分かるほどに重力に従って降下していた。
「落ちるの?」
誰かが叫ぶ。
「どーなってるんだー!!」
「キャー!!」
前方にいたCAが乗客達の上を飛んで行って壁に激突して動かなくなった。
降下の速度はさらに速くなる。
【落ちるな、これは。】
まるで遊園地のジェットコースターの落下時の様な感覚を味わいながら男は冷静に思っていた。
荷物入れのフタが開き、中身が飛び散る。
落下速度に加えて、左右に機体は激しくゆれだす。
『バリ!バリバリ!』
どこからか障子紙を破る様な音が聞こえてくるが、シートに身体を括り付けられていて、他がどうなっているのかなど知ることも出来ない。
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