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いかに水も食物も心配が無いと言っても、野宿で七日間はさすがに辛かった。
「まったく、救助は何してんだ!」
ダグラスは空を見上げ、愚痴をこぼした。
「仕方なかろう、飛行機も墜落した時に航路がずれてしまったかも知れんのじゃ。
探すのに手間取っておるのじゃろう。気長に待つしかない。」
「まったく!」
天野に宥められて、ダグラスは足元の草を蹴り飛ばす。
生存者で重傷者は、もはや2名になっていた。
全員で25名の生き残り、しかし重傷の2名もすでに虫の息だった。
「なぁダグラス、こんな話しをするのもどうかと思うが、あの二人が息を引き取る前に救助が来なかったらどうする?」
天野は真剣な表情でダグラスに話しかけた。
「あの二人が死んでも、ここに残るさ。
この前の連中の村に行って救助が来たらそれこそ目もあてられんからな。
それに、村に行っても国に帰れる保証はねぇんだからな。」
ダグラスの言いたい事はわかっていたが、まるで身を隠す事の出来ない林の中で、いつまでも異常な生活を続ける事にも問題があると考えていた。
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