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そしてさらに10日が経ち遭難者達の疲労は限界に達していた。
重傷者の2名は数日前に息を引き取っていた。
相変わらずダグラスは救助が来ない不満を口にしながらも生存者達に諦めないようにと説いて廻っていた。
「このまま私達、救助もないまま死んでいくんだわ。」
「そんな事ないって!頑張ろうぜ!
もうじき救助が来るって。」
「貴方は何時もそれね!
すぐに来る、すぐに来るって一体何時来るのよ!
もう限界だわ!」
そう言ってダグラスと口論していた女性は、グラン・アレミラと言った。
見兼ねて天野が二人の所に行きアレミラの肩に手を乗せた。
「どうじゃろ、以前に会った連中の村に行ってみては?
救助が来たら分かる所に村への地図とメッセージを置いて行けば問題なかろう?」
天野の提案に数名が反対したが多くの者は賛成した。
「いいんじゃねぇか?
ここにいても先はわからねぇし、村の場所を残しておけば迎えに来るだろうからな。」
反対していた者もダグラスのこの言葉によって納得せざるを選なかった。
亜熱帯特有の蒸し暑さと、今までの疲れ、さらに不慣れな森の中を歩いていたため、かなりの時間を要した。
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