8人が本棚に入れています
本棚に追加
屋上に着くまでの間、私はなんと言うべきか考えた。
告白はしなくてもいいと思う。
だけど、わざわざ呼び出してまでの用事を今更つくれない。
なんていう?
好きです?
でも、どこが好きなのって聞かれたらどうしよう。
声?
確かに悪い声じゃない。
でも、そんなに注意深くは聞いたことない。
話し方?
でも、彼が話しているのをちゃんと聞いたことがあるのは授業中だけで
先生の前で改まって話すのは当然。
じゃ、素直に顔?
軽すぎる。
最悪。
結局、答えが出ないまま、私は屋上に着いた。
おそるおそる重いドアを開くと彼の姿。
ドアのガチャという派手な音に彼が振り向く。
最初のコメントを投稿しよう!