美咲の章:2.恋の咲く場所

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カップルになったはいいものの、私は何をすればいいか分からなかった。 別に直君が初めての彼氏というわけではなかったけど  最近、男というものは~と言うのが口癖になってた私のこと。 しかも、冷めた気持ちで告白したんだから当然と言えば当然。 どうして彼はokしたんだろう。 私のことを元から好きだったとか? それが一番つじつまが合う考え方だけど、どうやらそうでもないらしい。 だって、直君も何をしたらいいのか分からないみたい。 学校ではお互い単独行動だし、一応、一緒に帰りはするものの 「疲れたね」 「そうだね」 「宿題、めんどい」 「うん」 「じゃ、また明日」 「うん、また明日」 こんな感じ。 相づちを打ってるのは私で、直君はそれなりに話そうとしてるみたいなんだけど。 そんな私たちを見かねて、遂に香奈が口を出した。 「何でこー、カップルらしくできないかなぁ」 「だって、興味ないもん」 「あんたが、直君直君ってキャーキャー騒いでたんじゃない」 「そうだけど、いいのは顔だけっぽいし」 「何で分かるのさ?それが分かるくらい話したの?」 「してなくても分かるの」 「あんた、決めつけおおすぎ」 「彼だって私に興味なさそうだし。スピード破局ってやつ?」 香奈は、チェッと舌をうち 「またまた私の出番が必要なのか。めんどー」 「いや、香奈はもう出てこなくていいから」 「んじゃ、来週の日曜、ダブルデート決定ね」 「聞いてないし」 「翔には私が伝えるけど、直君には美咲が伝えなね」 「どこ行くかも決まってないのに?」 「んなの、当日決めればいいじゃん。美咲と直君の相性が合う場所なんて分かんないし」 「翔君のご意向とかは?」 「いいの、翔は私といればどこでも幸せなんだから」 私はokした。 香奈は、言い出したら強行する性格だと言うのもあるけど  香奈と私は親友で、直君と翔君も親友。 上手くやれば、男&女の組み合わせじゃなくて 女&女、男&男の組み合わせでやり過ごせる。 香奈と翔君には悪いけど、あの二人は暇さえあればいつだって一緒にいる。
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