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どうしても食い下がってくる香奈に私は
「男なんてね、周りをダマしていかにモテようとするかしか頭にないの」
自分の頭をつんつんしてジェスチャーする。
「あんたさー」
香奈が、私の机に肘をついて顔をのぞき込んできた。
「17でそんなに悟ってたら、人生つまんないよ?」
「いいの、悟っちゃったもんはしょうがないの」
私が17歳で悟るようになった経緯を知ってる香奈は、やっと黙った。
聞こえるのはため息一つ。
しょうがない、経緯は知っていても私の気持ちなんて分からない。
いくら香奈だって。
恐怖を笑いに変えるのが、どんなに大変かなんて
分からない。
チャイムが鳴って授業開始。
私は、教科書に目を落とした。
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