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香奈が腕をまくってUFOキャッチャーの前に立つ。
コインを入れていざ開始。
私は、香奈の手元とクレーンの動きを息をのんで交互に見つめた。
1回目。2回目。
香奈は、クレーンの先を、リラックダのタグに引っかけ、確実にゴールに近づけていく。
やな予感。
そして3回目。
リラックダは、クレーンにぽんっと後ろを押されただけで、ホールインワン。
「うそー」
「香奈様を甘く見すぎたようね」
自慢げな香奈に私は大きく息を吸い、覚悟を決めた。
「で、取引とは何でござんすか?」
「美咲、もっとこー、感謝の気持ちというのはないの?」
「はいはい、ありがとね。で、ご要望は?」
香奈の作った呆れ顔が、にやつきに変わる。
「明日中に直君に告白しなさい」
私は耳を疑った。
何でどうしてどうやって。
問いつめようとする私を振り切るように、香奈は
「翔、待たせてるから」
とだけ言って店を出た。
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