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「ヴェ!?」
「フェリシアーノさん。空の妖精はなんと言われているかを答えなさい」
「え……ええっと……。全てを包み、優しく見守る。世界を希望へと導く空?
フェリシアーノは冷や汗をかきながら困ったようにそう答える。女教師は「正解」と返すと、手にしていた教科書を読み始めた。
フェリシアーノは合っててよかった~と胸を撫で下ろす。
「ここライティアは空の力が一番強いと言われています。むかし──」
(……空ってこの花鳥風月陽陰空の空のことなのかな? でもそれに目醒めるって一体……)
フェリシアーノがまたボーとしていると今度は木の枝でフェリシアーノの頭を何者かがペチペチとしてきた。
「痛っ痛っ」
「フェリシアーノ」
「ヴェ!? そ、ソフィ……、な、なにかな?」
フェリシアーノが慌てて後ろを振り向くと、そこにはソフィアの姿があった。そんなフェリシアーノにソフィアは呆れたように「なにかなじゃないよ」と返す。
「ヴェー。あ、そういえばみんなは?」
「授業終わったから帰った」
「ヴェ!? いつの間に終わったの?」
ソフィアの言葉にフェリシアーノは驚いたように返す。
「……フェリシアーノがボーとしてる間に。それよりさっきからヴェーヴェーうるさいんだけど」
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