幼なじみ

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*温もり* 初めては大好きな人とって決めていた。 その夢が…こんな形で果たされるなんて…一体誰が予想したんだろう?? 心の全てが満たされるわけじゃないけど、それでもアタシは…幸せだった。 だってほら…瞼をそっと開くと…愛しい人の初めて見る表情。 「はぁっ…帆波っ…」 快感に顔を歪める葎。 初めて見るその顔は、想像よりもはるかにカッコ良くて… 初めての痛みを忘れるくらい、アタシは葎の姿に見とれていた。 「あぁっ…葎っ…!!」 「くっ…!!」 絶頂と共に、アタシ達は強く抱き合った。 この時間がもっと続けばいいのに… 葎に対する愛しさが胸に込み上げてきた。 もしかしたら、彼女よりアタシを好きになってくれるんじゃ……? 体を繋いだことにより、アタシの中の期待は更に高まった。 だけど… 幸せな時間ほど…崩れやすいもので…淡い期待さえ…儚く散ったんだ…… 「み…よ…っ」 葎が辛そうに…小さく小さく発した一言を アタシは聞き逃さなかった……
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