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*変わらない関係*
「ぁ…っ…」
薄暗い、葎の部屋に漏れる甘い声。声の主は自分。
「帆波……っ」
アタシに触れる手は熱を帯びていて、何度重ねても慣れることはなかった。
最近思う。
アタシは…葎の何?
浮気相手ってコトは分かってる。
だけど唇を重ねないなんて…
これじゃぁ本当に【体】だけの関係じゃん…
幸せな時間なはずなのに、アタシは悲しくなった。
気付けば…独りでに涙が頬を伝っていた。
「ぅっ…っ…」
一度伝った涙は止まることを知らず、次々と溢れ出す。
「帆波?」
アタシの涙に気付いた葎は、今まで行っていた行為をピタリと止めた。
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