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心の中の黒い渦が消えないまま数日が経った。
休日を2日後に控えたある日の放課後、俺は美世をデートに誘うことを決意した。
美香子から聞いた話と、この間の藤森先輩からの電話のことを話すために・・・
「なぁ、今週末遊びに行かん?」
俺は少し緊張ぎみに聞いた。
「えっ、今週末?えぇっと~・・・」
そう言いながら美世は花柄の手帳をカバンから出した。
「ごめん!その日は地元の友達と買い物行く予定が入ってる~」
申し訳なさそうに美世は言った。
地元の友達か・・・。
なら仕方ねぇな・・・。
「そうなん?だったらまた今度遊びに行こうな!」
俺は今週末のデートを諦めた。
まぁ、今すぐ聞いても気まずいし。
藤森先輩の話は今度でいいか・・・。
って・・・遊びに行かねぇってことは、俺暇人じゃん。
そんなこと思いながら、俺は学校を後にした。
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