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「あなたたちこの女を追い出しなさい」
扉付近で警備していた兵士数名に私は命令し、お姉様は捕らえられた。
さっきお姉様が私を狙ってきたときに護衛しなかったのはレンがいたし、何より邪魔をしたら私に暇をだされるのを知ってるから。
「待て!私と話を…!」
「赤の娘、見苦しいぞ」
レンがピシャリと冷たい声でいう。
レンは私が敵と見なした者には冷たくなる。
なんでかは知らないけど。
そしてお姉様は兵士により城の外へと連れ出された。
お姉様が連れ出された後、私とレンだけになった。
「…リンいいの?なにも(粛正)しなくて」
「税率をあげるのがお姉様にとって粛正になるでしょう?」
「そうだね」
二人でクスリと笑った。
レンが思い出したように声をあげた。
「なに?」
「今年、飢餓で死んだ民衆は50を越えたよ。一応伝えとくね。」
「わかったわ」
私はそんなことも頭にはいらず窓の外を眺めた。
「王子!」
青の髪をした美貌の持ち主、カイト王子は女中に呼び止められた。
「君か、なに?」
「王子にお誘いの手紙が…」
自分と顔のよく似た女、キイトは手紙の入った箱を持って王子に渡そうとするが即答で答えられ渡せずそのまま立ち尽くした。
「あの子以外の手紙なんかいらないんだ…」
カイトはそんなことを一人つぶやいた。
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