Evil of daughter 弐

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そうして私は街を見ながら城へ向かった。 青ノ王子に会いにいくために。 「あ、あれは…!」 建物の影から青ノ王子が見えた。 彼を見ただけで頬があつくなった。 「カイ…ー」 声をかけようとした、いやかけれなかった。 なんでってそれは彼の側に緑の女がいたから。 それだけなら声をかけてた。 でも…、彼は頬を染め彼女と歩いてた。 幸せそうだった。 そんなときに私が声をかけれるわけ…ー 私はずっと二人を見ていた。 緑の女が私に気付いたらしく青の王子に私のことを言っていた。 内容までは聞こえなかったけど。 とりあえずこの場から去ろうと思った。 「リンおう…ー」 彼は私の服装をみて王女と呼ぶのをやめた。 そして私は此処は逃げるのを諦め彼に近寄った。 「お久しぶりです、リンさん」 「お久しぶり。半月ぶりですね。…そちらの方は…?」 私はちゃんと普通の女の子を演じることにした。 だから緑の女も気にかけてやる。 「緑の国に住んでいます。ミクと言います。」 「ミク、か。私はリン。よろしくね」 私は緑の女、ミクと握手をした。 正直殴りたかった。 「リンさん。今日は青ノ国に用事ですか?」 「ええ。これを。」 私は紙袋を渡した。 「失礼します。…タルト?」 「はい。召使が作り過ぎたのでいつもお世話になってる青ノ国へと思って」 「ありがとうございます。大事に食べます。」 ニコリと彼は笑った。 でも嘘の笑顔だった気がした。 私の見間違いかもしれないけど。 「リンさん。私何か作って黄ノ国に行きます。そのとき何か教えてもらっていいですか? 大切な人にあげたいんです。」 彼女が一生懸命に話すものだから私は返事してしまった。 「ええ。でも作ったのは私じゃないから教えるのは召使に教えてもらうといいわ。それに近々緑ノ国に行くからそのときに教えてもらって。」
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