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「はい!」
そして彼女もニコリと笑った。
「あ」
彼が声をあげた。
「どうされました?カイトさん」
「なんでもないです、ちょっと待っててください」
そう言い残し、彼はどこかに向かっていった。
そして彼女と私が残された。
「リンさん。唐突に聞きます。」
「何かしら?」
「あなたカイトさんのことすきですよね?」
すごく驚いた。
私はこんなにもわかりやすかったのかと。
それとも彼女の見る目がよかったのか。
でもミクなんかに負けてられない。
彼女より私のほうがカイト王子に釣り合ってる。
「好きよ、すごく好き」
「やっぱり…。リンさんには悪いけど私、好きでカイトさんと一緒にいるんじゃないんです。」
申し訳ない表情をする彼女に私は苛立った。
ならなんで一緒にいるのかと。
「は!?なら…ー」
「お待たせ。待ちました?」
「いえ、全然です」
彼は走ってきたのか顔が火照っていた。
急いで走って来てくれたのが嬉しかった。
「本当に申し訳ないんだけど、仕事がはいってしまったんです。だから…すみません。」
「わかりました。なら帰ります。またお話しましょう。」
そして私たち二人は青ノ国を後にした。
「緑の娘…許さないから」
私は憎悪にまみれた顔で帰った。
帰ったらレンでもいじめよう。
やってみたいこともあるし。
そして私はすこぶる機嫌が悪く玉座についた。
女中によるとレンはタルトを作る練習をしてるらしい。
すごく苛立ったからとりあえず花瓶の水をかけておいた。
ムカついたし。
そしたら泣きながら出ていった。
「うわっ。…どうしたのあの女中…」
さっきの女中と入れ替わりでレンがはいってきた。
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