序章、道なき道の上

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      「んで、あの人間共は信用出来んのかい?」      従虎(じゅうこ)は面倒臭そうにあくびをしながらなんとなく呟く。      虎そのものと言える凶悪な顔と、斧の形をしている尻尾の先端が特徴的だ。      かなり極悪と言える顔をしたまま、皿にプリンを移してそれを眺めながら、ニタァ、と笑いそれを揺らして楽しんでいる。     「うむ! よく解らんな!」      従虎の隣で、鬼の様な顔の大男、同じ邪星十二支の一人、猪突が無駄に大きな声を出す。     「まぁ、まぁまぁまぁまぁ、問題は無いでしょうよ」      うっきゃきゃきゃと猿顔を歪ませながら擬猿は笑う。     「彼らは逆らいませんでしょうよ。 うきゃきゃ、まぁ、それはさておき……食わないなら貰いますぞ」      従虎のプリンを奪い、擬猿はそれを口に放り込む。
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